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【ライブレポート】UVERworld - Premium Live 2021 at Yokohama Arena/横浜アリーナ@210613昼

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UVERworldの横浜アリーナ公演レポ。
前回の続きです↓

ta7cr5prm.com

 

6月13日昼の部について。
この回は克哉(Gt.)の生誕祭リベンジとなった。
彼が考案したセットリストのテーマは、
"初めまして、UVERworldです"
であると最後に明かされた。
テーマに相応しく、色々な時代の名曲達が散りばめられている。

出だしはデビュー曲『CHANCE!』、ドラマ主題歌である『SHAMROCK』。
今回初めてUVERworldのライブに来た人にとっても、優しいスタートになった。
長年のファンの自分としても、発売当時の青春時代の記憶が浮かび、胸がいっぱいになる。

『境界』『Making it Drive』『ODD FUTURE』等、前日に比べ、最新アルバム「UNSER」の曲も多めだった。
何より、UNSER収録曲の中では珍しく『OXYMORON』が披露された事が、今回の醍醐味だろう。私含め感激したcrewは多かったとの事。ファンが聴きたい曲をピンポイントで選んでくれる。リーダー克哉らしい、優しさ溢れるセットリストになった。
歌は勿論、大自然を背景に優しいメッセージを映した、スクリーン映像も素敵だった。

「俺達にしか無いものに気づいたから、皆ここにいるんだろ!」とTAKUYA(Vo.)が叫び披露された『ENOUGH-1』『在るべき形』。どちらの曲も、強いメッセージ性がある人生ソング。不自由な状況下でも、それぞれが選択をして前に進んでいくべきである。2014年の曲とはいえ、不思議と現代に響くものがある。UVERworldが、ブレない信念を持ち続けているバンドである証拠だろう。

ちなみにこの日は良席により、ステージの様子がはっきり見えた。TAKUYA以外のメンバーが前方に出る事もあり、飽きさせない楽しみ方を演出してくれた。
特にODD FUTUREでは、彰(Gt.)がステージの前方で、間奏でぴょんぴょん跳ねていて可愛かった(笑)。
中盤では前方にドラムセットが用意され、真太郎を含めた6人が集まった形で演奏された。UVERworld"6人”が揃う場面を見ると、やっぱり嬉しくなる。

この日もライブならではのアレンジに楽しませて貰った。
『GOLD』のイントロでは、‪誠果(Sax.)‬のサックスアレンジが入る。元々オシャレさを持つ楽曲で、新鮮味もありつつ妙にマッチしていた。何より、2010年のシングル曲で、当時は沢山披露されていたが、この時はまだ、誠果‬はサポートメンバーだった。今のUVERworldだから出来た事だと考えると、改めてバンドをずっと好きでい続けてよかったと、ついウルっとくる。

後半の流れは両日とも同じ。『Touch off』『IMPACT』『ALTER LIFE』『EN』と、"今"のUVERworldらしい定番曲で締められた。

IMPACTはライブ定番曲で、会場の一体感が最大の魅力である。声が出せない今のライブシーンで、果たして成立するのだろか…と、正直心配していた。だが、そんな心配はいらなかった。
オーディエンスの歓声・歌については、crewに対し予め音声を募集。集まった音源が会場で流された。この手法は、昨年THE YELLOW MONKEYのライブ等でも実施された、音楽コラボSNS「nana」とのコラボ企画。
音源が流れた時、あの頃がどれだけ楽しかったか、特別だったか…当時を鮮明に思い出した。爆発した感情を腕に乗せ、足に乗せ、今出来る精一杯の方法で表現する。
それぞれの想いがぶつかって出来た今回のIMPACT。会場の一体感は、あの頃以上にも見えた。

ラストは『EN』で締めくくる。
去年末のツアーから歌われてきた未発売の曲である。披露される度に少しずつ歌詞やアレンジが変化し、メンバーから大事にされている曲であることが窺える。TAKUYA曰く、"今"届けたいメッセージを秘めた曲との事。
歌い出しは落ち着いてるが、決してバラードではない。最高に熱く、そして良い意味で重たい。「自分で選べ」「生きろ」と私たちに投げかけてくる。ストレートににぶつかってくる。誰も言ってはくれなかったワードがズシンと胸に響き、気付いたら涙が出てきていた。

「俺達はライブをやる事で何かを学んで感じて、次に繋げていく。
みんなも今日が終わって、(横浜アリーナの)出口に進んだ時から、人生の再スタートを切っていく。
お互いが今日を糧に、明日から生きていく。
ライブとはそういうものだと思うし、それを不要不急だなんて俺は思わない。」

そして、

「どんなに恵まれた環境であっても、文句を言う奴は言う。
規制が多い状況でも、ルールを守ったうえで、自分達の方法でやっていく方がかっこいい。
俺達はそんなかっこいいバンドであり続けたい。」

そんなTAKUYAのMCが、ENの歌詞と重なっていた。

思えば去年、最初に緊急事態宣言が発令された頃、いきなりライブに行けなくなった事に絶望した。色々な人が色々な持論を展開し、ライブやばくない?と言われた事もあった。あの頃は誰を信じれば、何をすべきか分からなくなっていた。
私はそれでも、ミュージシャンの事は信じ続けた。
彼らは世の中の流れを冷静に判断し、制限された中で出来る"自由"を見出してくれた。
音楽がなければ、私は完全に腐ってしまっていただろう。
だから私は、私が好きなミュージシャンを心から尊敬する。

今回、福岡から横浜に遠征する事を選んだのは、彼らの演奏が、声が聴きたかったからだ。ワクワクする気持ちを抑えきれなかった。
それでもきっちりとルールは守った。ライブに行く事を会社には申告した。道中では、福岡にいる時以上に気をつけて行動した。勿論今から2週間でどうなるかはわからないが。
ちなみに、ライブ翌日の14日には、仕事で大きな本稼働対応が待ち構えていた。私はこの数週間、先回りして、スピード感を持って準備していた。どうしてもライブに行きたかったからだ。

思えば、ライブがあるから、日常の色々な事を頑張れているかもしれない。
確かに自分は恵まれた環境にいるのかもしれない。この状況でライブをやる事をよく思わない人も勿論いる。行くべきか悩み、行かない事を選ぶ人もいる。それは絶対に間違いじゃない。
それでも私はこの2日間を体感して、行ってよかった。心からそう思う。

こんな最高の景色を知っているから、私たちは明日からも生きていける。
UVERworldがこのご時世、大きな会場で、私達を集めてライブを行った理由は、きっと、それを伝える為だったのだろう。